「ベースウェイト」という考え方

natuler

2010年03月14日 23:05

「ベースウェイト」という考え方

ULHで画期的なことは、
背負う重量の「計測範囲」と「目安」が提示されたこと。

これにより、重量の比較、検討、改良がハイカー間で共有できるようになった。


何をどこまで軽くすれば快適になるのか?

計測範囲は「ベースウェイト」、
目安は「10ポンド(4.5Kg)」

スルーハイクでは、消費したものを補給しながら歩く。
そこで、消費、補給される水、食料、燃料を除いた装備重量を
ベースウェイトとするのだ。

その目安には様々な意見があるが、
アメリカでは10ポンド(4.5Kg)前後に落ち着いている。


レイ=ジャーディン自身は、
最終的に8.5ポンド(3.85Kg)というベースウェイトで歩いている。

環境の異なる日本に容易に当てはめることは、できないが、
日本のウルトラライト志向のハイカーも、
無雪期5Kg前後を目標としているようだ。


そのように
「徹底した軽量化」は
ULHの大きな特徴
だ。

しかし、レイ=ジャーディンは、著書「Beyond Backpacking」の冒頭で、
軽量化の本当の目的である、哲学的、思想的な命題を強調している。



「Beyond Backpacking: Ray Jardines Guide to Lightweight Hiking 」




家財道具を全て持ち出すようなスタイルでは身の回りが道具であふれかえり、
自然との距離が遠ざかってしまう。



本当にその道具がないと
自然の中に行けないのだろうか?

安全のために、と多くを背負いすぎた結果、
重さに負けて歩けなくなる。


それでは、あまりに辛すぎる。

ハイキングやキャンプは、自然の中に身を置き、
自然を感じるためのもの。

自ら運べるものを運び、優しく自然の中を歩き、自然の営みに気付き、
そして自然との関わりを考える。

そのためには自然をダイレクトに感じる必要がある。


だからこそ、
必要最小限にして
シンプルな道具を選ぶのだ。



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